『アルジャーノンに花束を』を読みました
主人公はチャーリイ・ゴードン。
この小説はゴードンの経過報告という形で物語が進みます。
チャーリイは生まれつき発達障害がありましたが、人工的に知能を高める手術を受けることになります。この手術はネズミのアルジャーノンも先に受けており、知能の向上が確認されていました。
経過報告はチャーリイが手術を受ける以前のことも書いており、文体から手術により知能が向上していく過程を理解できます。手術以前は誤字や脱字、ひらがなが多くなっています。
チャーリイの知能の向上は急速に進み、その中で友人関係、家族関係、恋愛に苦悩する姿が描かれています。天才の域まで賢くなったことで自分の今まで見てきた世界を全く異なった視点からとらえられるようになり、それにより気づくことがチャーリイの心に大きく影響を与えていきます。
そんな中でまずアルジャーノンに知能の低下が見られ、天才であったチャーリイは自分にもいつかその日が来ることを悟り、またもとのチャーリイに戻ってしまうことを受け入れることになります。
天才となり誰とも分かり合えなかったチャーリイでしたが、またもとのチャーリイに戻ることで友達と呼べる存在を取り戻していくのはなかなか複雑な感情になりました。